Yavas(1995)“Can Brokerage Have an Equilibrium Selection Role?”
マッチメイカーは探索市場を効率化できるか?
マッチメイカーは探索市場を効率化できるか。これがYavas(1995)のテーマです。ここで効率化とは、パレート最適でない多数の均衡が存在する探索市場の均衡数を減らし、パレート的な意味で優れた均衡へと導くことを意味します。
モデル
Yavas(1995)のモデルでは、売手1人、買手1人、マッチメイカー1人が登場します。そしてYavas(1995)のモデルは、異なった2種類のデザインで構成されます。一つは探索に失敗したトレーダーがマッチメイカーを頼るデザインであり、もう一つは探索をするかマッチメイカーを頼るかをトレーダーが選ぶデザインです。特に後者の場合、探索を選んだトレーダーはマッチメイカーを頼ることができません。
結果と議論
Yavas(1995)は、①マッチメイカーは探索市場の均衡数を減らす、②マッチメイカーがパレート的な意味で優れた均衡へと経済を導くことで、経済厚生は改善される、③ただし特定の状況下では、マッチメイカーは経済の均衡数を増やしてしまい経済厚生は損なわれてしまう、と論じました。