Wooders(1997)“Equilibrium in a market with intermediation is Walrasian”
誰が市場を均衡へと導くのか?
完全競争市場では、全ての市場参加者がプライステイカーになります。ならば一体誰が市場均衡を設定するのでしょうか。ワルラスは一般均衡理論において、競り人が市場均衡を設定すると論じました。つまりワルラスの一般均衡理論において、市場均衡を達成するには、社会合理性のある超合理的主体が必要だということです。Wooders(1997)の目的は「マーケットメイカーがワルラスの一般均衡理論でいう競り人の仕事をする」という洞察を立証することです。独占的かつ自己の利益を最大化するマーケットメイカーは果たして競り人の役割を果たせるのか。それがこの論文の関心事です。
わかったこと
Wooders(1997)は、探索市場が効率的であるほどマーケットメイカーの売買値はワルラス的市場均衡に近くなり、そしてマーケットメイカーのいない探索市場はどんなに効率的でもワルラス的市場均衡には至らないことを示しました。