Rubinstein and Wolinsky(1987)“Middlemen”
先駆的研究
Rubinstein and Wolinsky(1987)は論文冒頭で、「大抵の市場で仲介業者は重要な役割を果たしているが、多くの理論文献で、このことが無視されている。」と述べました。1987年当時は、探索市場の仲介業者をテーマにした文献は非常に少なく、この論文は先駆的な論文といえます。
仲介業者を含む探索市場
Rubinstein and Wolinsky(1987)は、取引にかかる手間と仲介業者の役割には関連があるとし、取引に手間がかかる市場モデルを構築し、その中で仲介業者が活動する状況を分析しました。
ランダムマッチング
この論文のモデルで、プレイヤーは売手、買手、仲介業者の3種類です。ある市場参加者がどのタイプの市場参加者に出会うかはランダムで決まります。だから例えば、ある買手は所与の確率に従い、売手と出会ったり、仲介業者に出会ったり、あるいは誰とも出会えなかったりします。なお取引価格は、出会った相手と自分の効用(余剰)が等しくなる価格と定められました。誰かと出会うまで取引価格はわかりません。
結果と議論
均衡では、売手と仲介業者の取引、買手と仲介業者の取引、トレーダー同士の直接取引が共存することが示されました。つまり仲介業者と出会い、そのまま仲介業者と取引するトレーダーが出現することがわかりました。