Burani(2008)“Matching, search and intermediation with two-sided heterogeneity”
マーケットメイカーを含む探索市場の動学的モデル
Burani(2008は、マーケットメイカーを含む探索市場について分析しています。売手と買手がプレイヤーとなり、モデルは動学的で、各期の初めに各プレイヤーは、マーケットメイカーの売買値を見ながら、マーケットメイカーと取引するかしないかを選びます。
Burani(2008)が描いたトレーダーの異質さ
Burani(2008)では、留保価値(reservation value)という変数が登場します。他の論文でいう財の評価額(valuation)と概ね同じ意味の変数です。Burani(2008)は留保価値を売手と買手でそれぞれ2通りと仮定しました。さらに留保価値が相対的に高いか低いかで、売手と買手がそれぞれ2グループに分けられ、最終的に4つのグループが出来ます。Burani(2008)は、簡単のため、留保価値が相対的に高い買手の留保価値を1とし、留保価値が相対的に低い売手の留保価値を0としました。さらに留保価値が相対的に低い買手の留保価値をbLとし、留保価値が相対的に高い売手の留保価値を sH = 1 - bL としました。
結果と議論
Burani(2008)は、①留保価値が相対的に高い買手と低い売手のグループの全体に占める割合、②bLの値、の2つで均衡群が異なると論じ、その相図を示しました。