Biglaiser(1993)“Middlemen as experts”

仲介業者=エキスパート

 Biglaiser(1993)は、仲介業者の手で流通する財の例として宝石、車、骨董品、コインそして切手を挙げました。そして仲介業者は当該分野のエキスパートになることで、逆選択問題(adverse selection problem)がある市場の非効率性を軽減できると述べました。

 

Biglaiser(1993)のロジック

 Biglaiser(1993)のロジックは次の二つから構成されます。まず仲介業者は、買手より多くの財を購入する。そのため財の本当の質を見抜くスキルを会得するインセンティブを、仲介業者は持つ。故に彼はエキスパートになる。そして仲介業者は、売手より多くの財を取扱い、かつ市場に長く存在する。そのため自らの評判に重きを置く。したがって仲介業者は財の本当の質を報告する強いインセンティブをもつ。

 

結果と議論

 Biglaiser(1993)は、①逆選択が起こりうる市場に仲介業者が介入するとき、市場の全均衡の経済厚生を仲介業者は改善する、②仲介業者の手で流通する財の品質と価格は、直接取引で流通する財より高いと論じました。


 さらにBiglaiser(1993)は、仲介業者は次の三つの条件でより出現しやすくなると論じました。まず財の品質の判断が困難な場合、次にエキスパートになることが高コストな場合、さらにスイッチング・コストが低い場合、この三つです。

 

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