探索市場とは

 経済学の理論分野では、Search Marketという用語を用いる文献群が存在します。「探索市場」とは、その和訳であり、つまりおおよそ理論的考察の対象であるため、経済学の抽象的な概念だと思って下さい。

 探索市場とは、財を売りたい人(売手)と買いたい人(買手)が互いを探索する市場です。さらに出会った売手と買手がそのまま価格や数量を交渉する市場と定義する文献がほとんどです。探索市場には取引相手の探索コストや交渉決裂のリスクが存在します。そういった意味で取引費用を定義し、それを内包した理論的なフレームワークでもありますから、取引費用理論とも大いに関連する概念です。現実世界のマーケットは大なり小なり探索市場的であるため、探索市場としての考察の余地、つまり探索市場という理論的なフレームワークに落とし込んで理論化していく余地があるのです。近年ではマクロ的考察においてサーチ理論が、ミクロ的考察においてマーケットマイクロストラクチャー理論が、大いに取り扱っています。

 探索市場は、分権的市場、分権的取引市場と呼ばれることもあります。「分権的」の対義語は「集権的」です。集権的市場とは、ワルラス的オークショニアのような超合理的主体(以後、競り人)によって中央集権的に取引が統制される市場です。ここで合理的といっても個人合理性か社会合理性かはあえて問わないとします。超合理的とは、単なる市場参加者が持ち得る情報とそれに基づく合理性の限界(完全合理的)を、競り人が持つ情報とそれに基づく合理性が上回るためそう表現します。分権的市場とは、競り人がいないため取引の統制が無い市場と言い換えることもできます。それが上述の取引費用を生み出している原因であり、つまり探索市場という概念と不可分で最も重大な特徴なのです。


仲介業者とは

 仲介業者とは世間一般でも広く使われる用語ですが、経済学の理論分野では、売手と買手の間に介在する経済主体と抽象化されます。特に探索市場で活動する仲介業者は、探索の支援や財の仲買を行います。探索の支援とは、買手に売手を紹介したり、売手に買手のリストを与えたりすることです。財の仲買とは、売手から財を買値で買取り、それを買手に売値で売ることです。

 仲介業者を通じた取引は、手数料がかかったり、安く買い取られたり、高く売られたりして、そのぶん割高だったりします。しかしほとんどの文献が、仲介業者の絶対的必要性や、少なくとも一部必要とされうると論じながら、仲介業者の存在意義や仲介業者を通じて取引する合理性を論じています。


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